「新聞うずみ火」2017年2月号


  「京楽座」を主宰する俳優の中西和久さんが「ひと日記~このひとに会いたい」を海鳥社(092-272-0120)から上梓した。
 中西さんは1986年から一人芝居で全国を行脚。「しのだづま考」の演技で91年度文化庁芸術祭賞を受賞。2008年にはロシア・エカテリンブルグ国際演劇祭で特別賞を受賞している。

 1997年からKBC九州朝日放送ラジオで、「人権」をキーワードに中西さんとゲストによる対談番組「中西和久ひと日記」がスタート。2016年に20周年を迎えたのを記念し、これまでの放送分から俳優の小沢昭一さんやルポライターの鎌田慧さん、作家の石牟礼道子さん、五木寛之さんら20人分を加筆修正して一冊にまとめた。

 中西さんは鎌田さんとの対談で、こんな言葉を引き出している。「困っている人とか、追い詰められている人たちがいたら、それに無関心でいるのは、罪だと思うんです。気がついたことは、やらなければいけない」。心からの叫びのこもった一冊である。1600円+税。

(矢野)